薬効食品キノコの数々の効用（免疫増強・腫瘍抑制・血糖降下・抗ウイルス・血圧降下など）

免疫増強作用

キノコが持つ独特の成分である高分子構造の多糖体βーグルカンには、私達の免疫力をめざましく高めてくれる作用があります。
特に人体における代表的な免疫細胞であるマクロファージを刺激して、その活性を高める働きは見逃せません。
このマクロファージの俗称は“大食細胞”。細菌や異物を取り込んで消化してしまう大型の免疫細胞です。従ってβーグルカンによ
って活性が高まれば強力な免疫力を発揮することになり、感染症はもとより、ガンの発症やその進行を抑える効果も高くなります。

血糖降下作用

多糖体ガノデランＡ、Ｂ、Ｃ、そしてその蛋白複合体には血糖値を
下げる作用があることが、琉球大学におけるマウス実験で明らかに
なりました。　従来の糖尿病の治療は注射によるインシュリン補給
であり、服用は無理、効力が薄まるなどの欠点がありました。
それが、キノコ菌糸体のエキスを飲むことにより、血糖値降下が
たやすく可能になっています。糖尿病の患者さんには大きな朗報
と思われます。

強心作用

活性蛋白のボルバトキシンには、血管の弾性を高める作用があることが、ウサギなどの心臓を使った実験によって明らかにされて
います。血管の強化は心筋や弁の正常な働きに密接に関連します。心臓疾患の人にキノコの効能が及ぶことも朗報でしょう。

血圧降下作用・調節作用

キノコの高分子成分ひとつであるペプチドグルカンが、血圧を下げる作用を持っています。また、βーグルカンにも同じような効果が
見られます。それから、キノコに含まれる糖蛋白質の多くは血圧調整作用がありますから、高血圧、低血圧のどちらの人に対しても
メリットを与えてくれます。ただし、高血圧の人はペプチドグルカンが多く含まれた菌糸体エキスなどを摂る方が効力が高いでしょう。

コレステロール低下作用

シイタケに豊富に含まれるレンチシンという物質には、血中コレス
テロールを減らす作用があります。また、レンチシンには中性脂肪
も減らす作用がありますから、血行改善を望む人は大いにシイタ
ケを摂るのが良いでしょう。子実体にも多量ののレンチシンが含ま
れますから、シイタケ料理をたっぷり食べて健康体を取り戻しては
いかがでしょうか。

抗血栓作用

レンチシンはコレステロールや中性脂肪を減らすだけでなく、血管内で血小板が凝固するのを防ぐ作用もあります。つまり血栓が
できるのを阻止してくれるということです。霊芝にも、レンチシンに似たヌクレオチドという物質が豊富に含まれ、やはり血栓を阻止する
効力を持っています。

抗ウイルス作用

ほとんどのキノコの糖蛋白質にはウイルスを撃退できる効力が認められますが、中でもひときわその作用の強いのがシイタケです。
また、制ガン効果の高いβーグルカンや、菌糸体から分離されたリグニン・糖蛋白質複合体はエイズウイルスにもかなり有効だと
いう報告があります。

腫瘍抑制効果

βーグルカンのの持つ様々な効能の中でも特に目立つのが、体内にできる
腫瘍（悪性であればガン）を抑制し、その増殖を阻むという働きです。マウス
に腫瘍を移植してβーグルカンのエキスを注射すると、腫瘍の増殖が止まり、
エキスを与えなかったマウスに比べてはるかに生存日数が延びたという報告が
出されています。その際、被験マウスにはほとんど副作用がなかったことが
確認されています。βーグルカン以外の抗腫瘍物質として、キノコの細胞壁
成分であるキチン質もあげることができます。

認知症改善効果

老年認知症の増加が問題になっている昨今ですが、ひとくちに、「ボケ」と言っても、その原因には脳動脈が硬化するためと、脳全
体が萎縮するための２種類がりあります。近年、特に増えているのは後者で、いわゆるアルツハイマーと呼ばれているのがこのタイプの
認知症なのです。脳動脈の硬化に対して、キノコには特に有効な治療効果はありませんが、アルツハイマーに対しては有効である
ことが最近の研究によって明らかにされました。ヤマブシダケの子実体と菌糸体の両方から、脳の萎縮を抑えて神経を再成長させる
促進物質が発見されたのです。この促進物質はおそらく数年以内に実用化が可能になると推測されます。

肥満抑制効果

マイタケに含まれる高分子構造の蛋白質が肝機能を活性化させることが、動物実験によって証明されています。肥満させたラット
にマイタケの粉末を多量に混ぜた餌を与え続けると、血中コレステロール値、血糖値、中性脂肪などが徐々に減っていくことが
わかったからです。その結果、肝機能が良くなることで脂肪の代謝がスムーズになり、ラットは徐々にスマートになっていくことが確か
められました。このマイタケ効果は、他のキノコ３種との混合エキスという形ですでに実用化されています。

摂食抑制効果

「過食は病気を呼ぶ」とのことで、食欲にブレーキをかける健康食品も市販されています。ただし、キノコを材料としたものはまだ
登場していないようです。ラットを使った実験では、ヒラタケが含むレクチン（他のキノコもレクチンを含む）のみが摂食抑制効果を
あらわしています。これも遠からずダイエット効果のある健康食品として市場に出ることが期待できそうです。

食物繊維効果

便通に効果のある食物繊維は、私達の健康保持、あるいはその向上に欠かせません。キノコには、βーグルカンを筆頭に、キチ
ン質、ヘテロ多糖などに属する食物繊維が多く含まれており、まさにヘルシーフードの王様といった感があります。

その他の効用

キノコの秘密のページで記載している、多彩な酵素群の働きや、遊離アミノ酸の効用、亜鉛などのミネラルを吸収、濃縮する役割
も、キノコの持つ大きな長所と言えるでしょう。また、昨今大きな社会問題になっている猛毒ダイオキシンも、キノコの手にかかると
たやすく分解され、無害化されることが、薬科大学の研究チームによって明らかにされています。近い将来、キノコを使用することで
土壌の浄化ができる可能性も期待できます。